2023年8月の記録。#パリジェンヌ一年生

パリに来て、数ヶ月経ったけど、今月から、毎月末思ったことをただただ綴るということをやってみようと思う。(文豪風)

八月。

日本は、蒸し暑い日々の中、今年のパリは少し肌寒い夏になった。

8月にパリにがっつりいるのは初めてなので、バカンスに行くのではなく、あえてがっつり八月のパリというものがどんなものなのかを見てみようと思い、基本的にはパリで過ごした。

八月のパリを見て感じたこと。

それは、

「本気で1ヶ月しっかり休むパリジャン」を見て、これまでの働くことに対する価値観がとても揺らいだこと。

例えば、銀行での出来事。

七月末に銀行の口座開設をしようとしたときも、担当者が「来週から3週間お休みなので、今週中」に来るか、スケジュール合わないなら9月だね!と言われた。

もう1人同じ部署の担当者がいるらしいがその人も同じ時期に休むらしく、実質3週間お休み状態とのこと。

また、美容室に行った時のこと。

お店ごと1ヶ月お休みをもらうので、次は9月以降しか予約が取れないと言われたりした。

1番近所のパン屋さんも、7月末から1ヶ月お休みでお店を閉めていたし、パリの中心地にある今1番人気のパン屋さんも2週間ほどお店を閉めているほど徹底して夏休みをとっている。

こんな風に、あらゆる職種で1ヶ月ほど休むのが当たり前になっているようだ。

日本なら「お休みで、お客さんたくさん来るからお店を開こう」と考えそうなところを、労働者の権利が強いフランスは、「みんな休むし、私も休むのだ」と人気店ですらお休みを取るところが、フランス人らしいなあ、と思う。

この国は、日本とは違い、不便なことが多い。

建物は古いし、道は汚いし、思い通りにいかないことがほとんど。

ああ、そうだよなあ。人生って思い通りにいかないものだよなあ、とやたら忍耐力とおおらかさがつく気がする。

夏休み期間だから、お店が空いていないのも、仕事が進まないのも、不便で当たり前。

みんなで休もう。という感じ。

これまで、私は自営業で小さい会社をやってきて、「旅に出ても仕事ができる、仕事が回る」というスタイルをしてきた。周りのみんなの協力のおかげでそれができているし、会社員時代から考えると、本当に感謝しかない。みんなありがとう。

一方で、今回、一ヶ月まるまる休む、パリジャンを見て、旅しながらも仕事が回るのではなく、旅の間は仕事を止めるという選択肢があることに気づいた。

※会社員の場合は、補完し合えるので、逆にできるのかもしれないけど、自営業だと自分が回さないと、という意識になるんだよね。

日本企業に勤めていた時は、有給を使うことすら、周りの目を気にしたり、数年働いてやっと一週間の休みを取れるというところもまだまだ多いのではないかと思う。

わたしは、意外とメリハリをつけるのが苦手で、エンジンは小さくてもかけ続けたほうがパフォーマンスを出しやすいタイプ。

休むと、罪悪感で結局自己肯定感が下がるし、仕事を小さくともし続ける方が性に合ってると思っていた。

しかし、今回、思いっきり休むパリジャンを目の当たりにして、いつも全力で進み続けることが全てではないし、もっと休んでも良いのかもしれない。と思ってきた。

これに関しては、まだ私の中で答えが出てないので、自分のスタイルと相談しながら、どんな暮らし方、働き方が心地よいかを考えていきたい。

去年も短期移住でパリに来たけど、やはりまだまだいろんな刺激があるな。

では、また来月!